こんばんは、あいてぃ~です。
最近は、藤井竜王名人の活躍やそれに伴ったメディアの露出が増えた影響から、将棋を観て楽しむ通称観る将が増えています。
一方でAIの進化による評価値のみでの議論が巻き起こっているのを見ると私としては少し寂しい思いもありました。
そんな中で将棋の教養を深めることのできる一冊を発見しましたので紹介していきます。
私個人的な見解も添えつつ、新しい将棋の扉を開いていただければ幸いです。
「将棋は指せなくても面白い」
教養としての将棋
本日紹介する本は「教養としての将棋」です。
本書は講談社現代新書から2019年6月に出版されました。
サブタイトルとして、おとなのための「盤外講座」、また帯上には「将棋は指せなくても面白い」といったフレーズが入っています。
私が本書を手に取った理由
もともと将棋が好きであったという点と、近年のAIによる評価値という新しい楽しみ方が生まれたことを感じており、将棋に関してより幅広い知見を得ることで将棋の楽しみ方を更に多角的かつ深みを持たせることができると考えたためです。
特徴
本書の特徴は、様々な分野の方がその道の視点から将棋についてをまとめていることです。
例として第一章では、将棋のレジェンド羽生善治氏と文学者の梅原猛氏の対談がまとめられており、将棋のプロが見る将棋界についてがまとめられています。
他にも、考古学から将棋の歴史に踏み込んだ清水氏、数学者として数理的に将棋の魅力を探った飯田氏、将棋の駒を製作する駒師の熊沢氏、教育現場に将棋を教養として採用している安次嶺氏、将棋記者を長年勤める大川氏、本書を編集した尾本氏を含め8名が将棋についてまとめています。
本書を手に取る方は何かしら将棋に対して興味・関心があるために本書を手に取っていると思いますので、そんなあなたをきっと満足させてくれるような内容が1つでも見つかるはずです。
また、章ごとに執筆されている方が異なる関係で、都度内容が大きく変化します。
それに伴い、読書初心者の方でも章ごとに休み休み確実に読み進めることができます。
最後に面白い詰将棋もあります。難しかったです。
こんな人におすすめ
- 将棋の様々な世界に興味がある人
- 観る将の人
- 将棋を通じて教養を深めたい人
- 読書初心者の人
- 詰将棋が好きな人
感想等
将棋の新しい世界に気づける
私は将棋に関してそれなりに知見を持った一般人である自負があります。自身で将棋を指せることはもちろん、近年流行のAIの仕組みについて個人的に勉強してみたり、将棋の世界をより俯瞰して楽しんでいます。
しかし、例として駒を作っている駒師の世界について考えたことはありませんでした。
駒が作られる過程はもちろん、駒の格式の話などはとても興味深い内容でした。
本書を通じてきっとあなたも将棋の新しい世界に気づくことができるでしょう。
「負けること」は「かっこいいこと」
こちらは、本書の第5章を一文で要約したものです。
小学校教育に将棋を取り入れた安次嶺氏は、将棋を通じて「負けること」は「かっこいいこと」と生徒に教えています。
日本では、勝負事の前と後にはそれぞれ挨拶が執り行われることが多いかと思います。一方で、自身の失敗を正直に認めることのできない大人も多いです。(私もその一人です)
プロの将棋を一戦でも観たことのある方なら分かるかと思いますが、投了する瞬間というものは何とも味わい深い画を見る気分になります。勝者はもちろんですが、敗者も含めてその一戦を創り上げた二人の姿勢というものはとても美しいものです。
素直に負けを認められる人は、その分成長機会を得ているとも言えます。目の前の壁を受け入れ、自身の成長を模索する貪欲な姿勢づくりを将棋の世界は教えてくれるでしょう。
最後の詰将棋
詳細は本書を購入していただきたいのですが、最後に載せられている詰将棋がなかなかユニークな作品でした。
初心者にはかなり難しいのですが、題名を含めてその手順にきっと感動できることでしょう。
私は少々時間がかかってしまいました。今度書店で詰将棋パラダイスでも購入して一周してみようと思います。
まとめ
まとめです。本日は「教養としての将棋」についてまとめました。
本書は盤上及び盤外の将棋の達人方が将棋の世界をまとめた一冊です。
本書を読了した貴方は、将棋の新しい世界に気づくことができます。またそれによって将棋をより広く深い視点から楽しめるようになるはずです。
将棋は指せなくても面白いです。本書でそのフレーズの意味を体感することができるでしょう。
以上です。