【三千円の使いかた】お金を貯めるばかりor使うばかりになっていませんか?

読書

こんばんは、あいてぃ~です。

皆さんはお金に関してどう向き合われていますか。

目標に向けて一生懸命お金を稼いで貯金をする人もいれば、毎月給料を全額使いきってしまう人もいることでしょう。

日本ではデフレと呼ばれる、物価価値が下がり貨幣価値が上昇する時期が続いてきました。

しかし時代は変化し、現在はインフレの波を感じずにはいられません。

また、世間では新NISAを始めとした資産形成系の話題を徐々に見聞きするようになりました。

今こそ、お金との向かい方を再度考えてみる必要があるのではないでしょうか。

今回は学生から社会人生活を終了し老後生活を迎えるご老人に至るまで、老若男女問わず「お金に関する向き合い方」を考えさせられる本を紹介します。

後半では資産形成に興味を持つ私自身の目線から、本の内容を中心にお金についての考えに触れてみます。

それでは参りましょう。

三千円の使いかた

概要

今回紹介する本はこちら、「三千円の使いかた」です。

著者は原田ひ香先生、中央公論新社が発行しており2021年8月初版のこちらの一冊は、御厨一家の女性陣がお金にまつわる日々の生活や人間関係と向き合う物語です。

就職して理想の一人暮らしを始めた美帆(貯金三十万)。結婚前は証券会社勤務だった姉・真帆(貯金六百万)。習い事に熱心で向上心の高い母・智子(貯金百万弱)。そして一千万の貯金を貯めた祖母・琴子。御厨家の女性たちは人生の節目とピンチを乗り越えるため、お金をどう貯めて、どう使うのか?

三千円の使いかた 裏面より引用 〈解説〉垣谷美雨

内容は全6章構成となっており、各章では御厨一家の女性陣4名に加えて1名の男性として小森が加わった、計5名のそれぞれの生活が描かれています。

本の題名でもある「三千円の使いかた」は第1章の美帆のお話の題名にもなっています。

そんな本書の切り出し方は祖母の一言、「人は三千円の使いかたで人生決まるよ」から始まります。

これは深掘りすると、人生はそうした小さな選択の繰り返しによって形作られていくこと、ということらしく、当時中学生であった美帆はその会話に対しどこかピンとこない様子でした。

以上が本書の概要とあらすじになります。

私が本書を手に取った理由

私はアルバイトによってお金を使える幅が突然大きくなった大学生で、お金に関してぼんやりとした悩みのようなものを抱えていました。

そんな中帰省した際母親のデスクの上にこの本が置いてあり、何気なく開いていた、という感じでした。

これまでお小遣いやお年玉は基本全額貯金に回しており、所謂お金の使い方が分からないタイプの人間でした。

お金を無駄遣いすることは悪、お金は使わなければ使わないだけ良い。そう教育されていたわけではなかったのですが、どこか消費や浪費に対して悪い印象を抱いていた私にとって、お金の貯め方ではなく「お金の使いかた」をさりげなく伝えてくれるような本が必要だった、と言えるでしょう。

こんな人におすすめ

本書をおすすめしたい人は以下のような方々です。

  • お年玉の使い道に悩む中学生
  • 買い食いでお小遣いを溶かす高校生
  • アルバイト・仕事でお金を使える幅が大きく広がった学生・新社会人
  • 結婚生活の家計を支える主夫・主婦
  • 子供を独立させ老後を控える初老夫婦
  • お金を持て余したご老人
  • 独身貴族

色々と並べましたが、正負関わらずお金に関する興味・関心のある全ての方に一度読んでいただきたいですね。

資産形成に興味のある男性若者目線から

ここからは「資産形成に興味のある男性若者目線から」というテーマで本書の内容に触れつつ、私あいてぃ~のよりリアルな考えをまとめていきます。

彼女なし=年齢の男にストーリーは刺さらない

突然の告白ですが、私は彼女なし=年齢です。

身長も低く、容姿端麗には程遠い。自覚があるからか身だしなみに気を遣うこともありません。世間で共通用語になりつつある所謂弱者男性に該当する存在かもしれません。(とはいえ綺麗なものも好きなので最低限気を遣っているつもりですが)

まぁともかく彼女がいたことがないのですが、本書は基本的に御厨一家の女性陣を中心としたお話であり、それはつまり一つの「完成された家族」小説となっています。

年齢的に一番下にあたる妹の美帆や姉真帆には彼氏や結婚相手がおり、私とは縁のなさそうな生活が描かれているわけです。

性別も男女で異なることから、私のような人間には、基本的に小説内でのちょっとした考え方や悩み事へのアプローチなどへ素直に共感できないことが多くなってしまうかもしれません。

例えば交際費。私の場合は友人も少なく性格も相まって基本的に1人で過ごすことがほとんどです。

そんな私の交際費は、2024年9月で確か2000円でした。用途としては友人のお祝い事としてラーメンを一杯ごちそうするためです。(10月は帰省を兼ねて友人に会いに大阪へ寄ったため2万円弱だった)

大学生の夏休みで同年代と遊ぶ回数が一回の人間は5年くらい前だったならばマイノリティだったでしょうが、ネットが普及した現代では割とそうでもないんじゃないかなと思います。

交際費がかからないというのは資産形成的には大きな味方になりうるわけですが、それはそうとして私のような人にとってこの本は共感ベースで話をするのであればあまりパンチは無いかもしれません。

資産形成の向き合い方を間接的に教えてくれる

この本では具体的な資産形成の方法は出てきません。

正確には資産形成を成功させる人たちにとって当たり前である、家計簿をつけお金の流れを把握する、という内容の話は出てきます。

また、家計簿に関する歴史の話が挟み込まれており、そこは素直に勉強になりました。

しかしながら、資産形成に関して興味のある人達は是非この本を読んでいってほしいところです。

皆さんは資産形成を行う理由は何だと思いますか?返事は様々あるかと思いますが、私からは「使うために資産形成する」を挙げてみます。

そしてこの本では資産を「つくる」ではなく、資産を「使う」に焦点が当てられています。

つまりこの本のストーリーを通じて、最終的な資産形成のゴールを学ぶことができるわけです。

ゴールが具体的にイメージできれば、資産形成成功に一役買ってくれることでしょう。

女性向け?いえいえその為の第四章

ここまでは、案外共感を得られないものなのかもしれないという私の所感を述べてきましたが、第四章の小森の視点で描かれるストーリーはかなり異質です。

彼について軽く紹介を入れると、基本的に世界各地のアルバイトを渡り歩いて、そこでその都度生活費を稼ぎつつ定期的に日本に帰国して園芸を楽しむ、といった感じの人です。

資産形成には一切興味がなく、自身の「自由でありたい」という欲求を満たすために効率よく生きよう、という考えを持っていることから、どちらかというと刹那的であると言えそうです。

また、彼女とのひと悶着が描かれており、第四章はお金関係なくドロドロとした雰囲気をまとっています。

始めに紹介しましたが、本書は「人は三千円の使いかたで人生決まるよ」という祖母からの言葉でスタートしますが、その中身は「人生はそうした小さな選択の繰り返しによって形作られていくこと」とも紹介しました。

本章ではお金はメインテーマではなく、小さな選択の繰り返しの結果、の一つの答え合わせのようなものを小森の弱さから垣間見ることができます。

お金を題名としていながら、第四章をはじめとした人間ドラマを描くのが上手な作品だと思います。月9のような少々リアルな人間を描いた作品をみてみたい人は、特に第四章が注目かもしれません。

特に男性陣は共感できるところも多いかも?

まとめ

本日は「三千円の使いかた」についてまとめてみました。

子供の頃って三千円の価値はすごいものだったけど、大学生にもなると一日の遊びで全然足りないなぁくらいに感じている事実をふと気づかせてくれました。

三千円というお金に限らず、そうした小さな事柄が割かし人生を左右させる重要な経験になりえるかな、とも思います。

いくつになっても子供のような感度の高さで物事と向き合っていこうと感じました。

以上です。

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